会社設立・税理士は必要か?「知らなかった」では済まない納税リスクと、「プロを雇うメリット」
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永島税理士事務所、代表税理士/財務経営コンサル会社、代表取締役/経産省認定「経営革新等支援機関」/M&Aアドバイザー/AFP(ファイナンシャルプランナー) 財務戦略を武器にして、事業のステージに応じた永続経営のための支援を行っています。 毎月70人以上の様々な業種の経営者の支援をする中で、成功・失敗事例から学んだノウハウや、経営者として得た知見を発信しています。 <講演会> 各自治体の創業者研修、経営力養成講座、一部上場企業営業研修など講師として実績多数 <書籍> 『最強の戦略ツール・ビジネスモデルキャンバス』 新規事業の開発や事業拡大に不可欠なビジネスモデルキャンバスについて、詳細に解説しています。
実は日本国内の企業が税理士に依頼している割合は、法人の場合、約90%という極めて高い水準にあります。
これは、法人の決算・税務申告が個人事業主よりも複雑であり、専門的な知識と実務経験が必要とされるためです。
税理士関与割合(所得税・相続税・法人税)
| 年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | 令和5年度 | 令和6年度 |
| 所得税 | 21.1% | 21.0% | 20.4% | 20.4% | 20.4% |
| 相続税 | 86.1% | 86.1% | 85.9% | 86.3% | 86.5% |
| 法人税 | 89.4% | 89.5% | 89.5% | 89.8% | 89.8% |
参照:財務省 令和6事務年度国税庁実績評価書 https://www.mof.go.jp/about_mof/policy_evaluation/nta/fy2024/evaluation/202510ntahyoka.pdf
この数字からもわかるように法人を設立したからには税理士は必要なんです!
では、なぜ税理士が必要なのか。その理由を詳しく解説していきます。
1.税理士って本当に必要なの?
結論から言うと「自分で全て対応はできるが、頼んだ方がよい」です。
会社設立を検討する際、「設立=税理士に依頼するもの」というイメージをお持ちかもしれません。
会社設立自体に税理士は法的に必須ではありません。
その後の毎年の申告においても必須ではないんです。
しかし、税務・会計の知識が乏しいまま進めると、設立前後で手続き・税金・会計の落とし穴に陥る可能性が高まります。
設立時の意思決定から設立後の複雑な税務処理、そして将来的な節税対策までを考えると、専門家である税理士のサポートを受けることを強くおすすめします。
1‑1. 税理士が必要かどうかの結論と前提
法人設立にあたって、税理士の存在は「義務」ではありません。
例えば、設立手続き(定款認証・登記)は主に司法書士・行政書士の業務になり、税理士はこれら手続きを代行できない部分もあります。
「自分で全てやれそうかどうか」がまず判断の出発点となります。
ただし、法人設立後には毎年「法人決算」「税務申告」「帳簿作成」など、専門知識を要する業務が発生します。
たとえ小規模でも、これらを経営者だけで適切に行うには時間も労力もかかる点が論点です。
特に、初めて会社を設立する方にとっては、手続きの煩雑さや申告漏れのリスク、経営判断における税務的な視点の欠如といったデメリットを避ける上で、税理士の存在は非常に重要です。
1‑2. 自分で設立した場合に必要な手続き一覧
自分で会社設立を行う場合、以下のような手続き・対応が必要になります。
定款作成・認証(公証人役場)
登記申請(法務局)
資本金の払込証明・銀行口座開設
税務署への各種届出(法人設立届出書、青色申告承認申請書、給与支払事務所開設届など)
会計ソフトの導入・帳簿付けの仕組み構築
決算期の設定・税務戦略の初期検討
これらをすべて自社内・自社代表者だけで正確に対応するには、時間・知識・経験のいずれも一定レベル必要です。
▶会社設立の手続きについて詳しくお知りになりたい方は、こちらの記事をご覧ください。(準備中)
1‑3. 税理士に頼まずに起きやすいミスやトラブルの例
以下は、税理士を付けず自社で対応した場合に起きやすいケースです。
資本金を1,000万円以上に設定してしまい、設立からすぐに消費税課税事業者となってしまった。
→「免税期間」を受けられず大きな負担に。役員報酬を設立直後に適切に決定せず、後になって修正できず税務上不利な扱いとなった。
青色申告承認申請書の提出を忘れ、青色申告の特典(欠損金の繰越、少額減価償却など)を享受できなかった。
帳簿記録・経理入力が滞り、税務調査で指摘を受けた。
→例えば、売上10~20万円規模のミスでも、追徴税額が数十万円になるケースも。
1‑4. 会社設立と税務署提出書類(青色申告・法人設立届など)の関係
設立と同時に提出・決定しておくべき税務書類があります。
例えば・・・
「法人設立届出書」:設立後2ヶ月以内等の提出要件があります。
「青色申告の承認申請書」:設立日から3ヶ月以内、または最初の事業年度終了日の前日までに提出。これを逃すと、青色申告の特典を活用できません。
「消費税の免税事業者要件」:資本金の額・事業年度・売上高などにより、免税対象となるかどうかが変わります。設立時に資本金を多く設定すると、免税期間が受けられないケースがあります。
こうした“設立直後の判断”が、その後数年にわたって税務上の優位性・不利性を左右するため、設立前・設立直後における税務戦略が極めて重要です。
以上の通り、税理士は必須ではありませんが、自社で対応するには専門知識・時間・慎重な判断が要求されます。特に、設立直後の税務・会計判断が将来に大きな影響を及ぼすため、次章では「税理士を依頼するメリット・できること」に焦点を当てていきます。
2.税理士に頼むメリットとは?やってくれること
税理士は単に「申告書を作成してくれる人」ではありません。
会社の設立・成長において、多岐にわたるサポートを提供し、社長の時間と資金を守る重要なパートナーです。
税理士に依頼することで、設立前から設立後にかけての税務・会計・資金調達・経営判断をワンストップでサポートしてもらえ、経営者は本業に集中できます。
税理士は事務所によって特色があり、サポート内容も様々です。
| 税理士の主な役割 | |
|---|---|
| 税務代理 | 税務署への申告や申請、不服申し立てなどを納税者に代わって行う。 |
| 税務書類の作成 | 法人税・消費税などの申告書、税務署への各種届出書などを作成する。 |
| 税務相談 | 節税対策、税制改正への対応、適切な経理処理など、税金に関するあらゆる相談に応じる。 |
| 会計業務のサポート | 経理業務の効率化(会計ソフトの導入支援)、記帳指導、記帳代行などを行う。 |
| 経営アドバイス | 月次決算を通して会社の現状を把握し、財務分析に基づいた経営改善のアドバイスを行う。 |
2‑1. 会社設立時にサポートしてくれる内容(定款チェック・設立届出書類作成など)
税理士は、設立時だけでも次のような手続きを代行・助言可能です。
資本金の設定・出資形態・会社形態(株式会社・合同会社など)の選択
これについて税務上の影響・将来の資金調達・節税観点からアドバイスできます。役員報酬・決算期設定
設立直後に適切に決定しておくことで、法人税・所得税・住民税等の節税につながる可能性があります。税務署等への届出書類の作成・提出の代行(ただし、登記申請は司法書士の専属業務)
税務・会計の観点からも記入チェックや提出時期の助言が得られます。
これにより、設立の“最初の手間”が軽減され、ミスを未然に防ぐことができます。
2‑2. 設立後の税務書類・帳簿管理・申告までの一貫支援
税理士を顧問に付けることで、次のようなメリットがあります。
記帳入力・月次決算・試算表の作成支援
経営状況を早期に把握でき、経営判断に活かせます。【税理士に依頼する一番の目的】確定申告・法人税・消費税・住民税などの対応
税務調査があった際の立ち会い・交渉も支援対象となるケースがあります。会計処理の効率化、クラウド会計の導入支援など
経理負担を軽減し、本業に集中できる環境を整えられます。
税理士は税法に精通したプロですから、改正に対応した正確な経理処理と申告により、申告漏れによる延滞税や加算税といったペナルティを回避できます。
万が一税務調査が入った際も、税理士が窓口となって対応してくれるため、社長の負担と不安が大幅に軽減されます。
会社の経営状況を数字から把握している税理士は単なる「税金の申告代行」ではなく、「経営を支えるパートナー」として活用できるのです。
2‑3. 節税や資金調達(創業融資・補助金)のアドバイス
起業・設立期には「創業融資」「補助金・助成金」「税務上の優遇制度」など、知識があれば得られるメリットが多くあります。税理士はこうした制度の活用を助けてくれます。
例えば・・・
資本金の額を低めに設定し、消費税の免税期間を最大化するアドバイス。
補助金・助成金の対象となる条件・手続の案内。起業直後の資金繰り改善のための助言。
税務戦略(例えば、赤字繰越、少額減価償却、事業年度の変更など)を通じて税負担を抑える設計。
→これが長期的な財務メリットとなります。
このように「設立時の税務設計」が将来の資金繰り・利益確保に影響を与えるため、税理士の活用が有効です。
2‑4. 経営の相談相手としての役割
税理士は単に“数字を処理する人”ではなく、「経営者の相談相手」「経営戦略を一緒に考えるパートナー」になり得ます。
月次決算や試算表を元に、収益性・キャッシュフロー・予算管理の観点から助言をもらえる。
将来の投資・人件費・設備導入などの判断を税務・会計の観点からサポート。
税務調査・企業再編・M&A・事業承継など、将来的なステージに向けた相談も可能。
特に初めての法人設立であれば「何が起きるか分からない」「時間がない」という状況も多く、こうした相談窓口を持っておくことは精神的な安心感にもつながります。
すべての税理士がこれらすべてをサポートしてくれるとは限りませんが、依頼する場合にどこまでをお願いしたいのかは税理士を選ぶ重要なポイントです。
税理士を依頼することで、設立前・設立後の税務・会計・資金調達・経営相談の面で大きなサポートが得られます。
では逆に、「税理士に頼んでも期待通りでない」「そもそも頼む必要が薄い」というケースもあります。
次章では「デメリット」「やってくれないこと」を整理します。
3. 税理士に頼むデメリットとは?やってくれないこと
税理士を付けることで得られるメリットは多いですが、依頼にあたっては「費用」「サービス範囲」「依頼側の自助力」が影響します。
また、税理士でも対応できない業務があるため、費用対効果を見極めることが重要です。
【税理士ができないこと(他士業の専門領域)】
| 業務 | 専門の士業 | 備考 |
|---|---|---|
| 会社設立の登記手続き | 司法書士 | 提携している税理士に依頼すれば、ワンストップで対応してもらえるケースが多いです。 |
| 社会保険・労働保険の手続き | 社会保険労務士(社労士) | 従業員を雇用する場合に必要な手続きです。 |
| 許認可の申請 | 行政書士 | 建設業、飲食業など、特定の事業を行うために必要な許可・認可の申請です。 |
3‑1. 費用がかかる(顧問料・決算料・設立サポート費用など)
税理士に依頼すると、次のような費用が発生します。
顧問料:月額顧問契約により、経理・税務サポートを受ける場合、設立1期目の小規模法人でも月額数万円、規模や依頼内容によっては月額数十万円が発生します。
決算申告料:期末決算、法人税申告など一括で契約時に別途定められている場合が多いです。
スポット相談料・追加料金:記帳代行・税務調査立会い・資金調達支援など、契約内容に含まれないオプションは別料金となる可能性があります。
このため、費用対効果をあらかじめ算定し、「本当に依頼したほうが得になるか」を検討することが重要です。
3‑2. 税理士によってサービスの差が大きい(自社に合わない可能性)
税理士は専門家ですが、得意分野・事務所の体制・対応スピードなどに大きな差があります。
例えば・・・
起業・スタートアップ支援に特化していない税理士だと、設立期の小規模法人に適したアドバイスが乏しい。
クラウド会計・オンライン対応に疎い税理士だと、経理入力・データ共有がスムーズでない。
掛け持ち顧問が多く、レスポンスが遅くなるケース。
「自社の段階・業種・ニーズに合った税理士を選ぶこと」が重要だとされています。
そのため、「料金が安い」というだけで選ぶと、将来「連絡がつかない」「頼んでいたつもりがサポートが薄かった」ということも起こり得ます。
税理士の得意分野(例:IT、飲食、国際税務など)が自社の事業と合わない場合や、コミュニケーションが取りにくいと感じる場合、十分なサポートを得られない可能性があります。
税理士の相性も考慮しましょう。
3‑3. 契約内容外の業務(登記手続き・社労士業務など)は対象外
税理士が対応できない業務があります。
主なものを挙げると・・・
定款認証・登記申請:これは原則として司法書士の専属業務です。
税理士が自ら登記申請を扱うことはできません。労務・社会保険手続き:社会保険・雇用保険などは社労士の範疇になるため、別途社労士と連携が必要です。
助成金・補助金の申請支援:税理士は助言が可能ですが、実務申請代行が含まれないと自社側で手続きをする必要があります。
依頼前に「何が含まれていて、何が別途料金なのか」を明確にしておく必要があります。
3‑4. 言われたことしかしない税理士もいるという注意点
「丸投げすれば安心」という期待を持つ方もいますが、税理士も万能ではありません。
実際、以下のような状況が起こることがあります。
税務申告だけを淡々と行い、節税提案や経営相談をしてくれない。
月次での試算表提示や経営指標の共有がなく、「毎月報酬を払っているが価値を感じない」という経営者もいます。
契約前のヒアリングが浅く、自社の特性・業種・フェーズを把握せずに雑な対応となる。
こうしたリスクを避けるため、契約前に「どこまで対応してくれるか」「こちらの希望をどう実現してくれるか」を確認することが重要です。
このように、税理士に依頼するには費用負担や選び方の精度、依頼内容の整理が必要です。
「頼む価値あり/なし」は会社の状況によって変わります。
次章では「いつ税理士に依頼すべきか(タイミング)」を整理します。

4章. 税理士に依頼するタイミングとは?
税理士を依頼する最適なタイミングは「会社設立前」。
特に、設立時の資本金・決算期・役員報酬といった税務・会計判断を設立前に行うことで、後々の税負担を抑えられます。
設立後でも早めに依頼すれば効果ありですが、遅すぎると損失・リスクが生じる可能性が高まります。
依頼のタイミング | 受けるべきサービス | メリット・重要性 |
| ・設立手続きサポート | 資本金、役員報酬、決算期の決定など、設立時しか選べない事項について、将来の節税や消費税の免税期間を考慮した最適なアドバイスを受けられます。 |
申告期限が近づいた頃 | 決算・申告業務の代行 | 複雑な法人税の計算や申告書作成を確実に代行してもらえます。ただし、直前だと費用が高くなる可能性があります。 |
事業が軌道に乗ってから | ・顧問契約 | 業務量が増えたことによる経理作業の負担軽減、より踏み込んだ節税対策や経営アドバイスを受けられます。 |
4‑1. 設立前に相談すべき理由(損をしないための設計)
設立前から税理士に相談することで、次のような利点があります。
資本金額の高さ・低さが消費税の免税期間に影響する。
例えば資本金1,000万円以上とすると、設立初年度から課税事業者となる場合があります。決算期を自社事業の繁忙期直後に設定して、税負担・キャッシュフローをコントロールできる。税理士の提案を受けることで、決算月の選び方から最適化できます。
役員報酬・役員人員・資本金構成など、設立段階で決めるべき税務上の設計について助言が受けられる。
後から変更が難しい点があるため早期対応が望まれます。
このように、「設立前に何を決めておくか」が数年後の税務・会計コストを左右します。
「設立後、売上が上がってから」と考える方もいますが、設立前こそ税理士に相談する価値が高いです。
4‑2.設立直後の対応(書類提出期限・開業準備)
設立が完了して登記された後にも、税理士に相談すべきタイミングがあります。
設立後2ヶ月以内などに提出すべき「法人設立届出書」「青色申告承認申請書」「給与支払事務所開設届」などの税務届出があります。
これを見落とすと、青色申告特典を活用できないケースがあります。設立直後に記帳体制を整えないと、日々の会計入力が滞り、期末決算時に膨大な手間・誤りが生じる可能性があります。
税理士に相談することで早期に整備できます。
ここでいったん相談・契約をするかどうかを検討しておくのが“設立直後”のタイミングです。
4‑3. 決算申告間近になってからでは遅い理由
設立後、初めての決算・法人税申告・消費税の関係が生じた直前になって税理士を探し始めるのは、以下のようなデメリットがあります。
決算期直前に税理士と契約しても、期首からの記帳情報がなければ「後追い対応」になり、過去の修正・訂正が必要となる可能性があります。
書類・データが揃っておらず、あとから費用が割高になるケースがあります。
間際で税理士と契約できず自分で申告した場合、税務署・取引先・銀行から「税理士付きでない決算書」という印象を持たれるリスクもあります。
したがって、「決算が近づいたから慌てて税理士を探す」というのは望ましくなく、設立前~設立直後の段階で検討を始めるのが安心です。
4‑4. 創業融資・補助金を検討しているなら早めが有利
創業期に資金調達を検討している場合、税理士の早期関与が助けになります。
創業融資申請時に、「事業計画書」「収支計画」「損益予想」「帳簿予備」が求められることがあります。
補助金・助成金申請には“設立直後の支出”や“前年度収入”など特定の要件があるため、税務・会計の観点からの準備が早期から必要です。
このため、「設立だけ済ませてから税理士を付ける」ではなく、「設立前から税理士と一緒に設計する」ことが、特に資金調達面での優位性を生みます。
税理士を依頼するタイミングとしては、できるだけ設立前~設立直後が理想です。
設立後時間が経ってからでは、既に決定してしまった項目を変更するのが難しいため、リスクが高まります。
5.税理士の選び方|失敗しないためのチェックポイント
税理士選びでは「費用」だけでなく、「対応範囲」「得意分野」「相性(コミュニケーション)」が極めて重要です。自社に最適な税理士を見つけるために、細かな視点を持って比較検討しましょう。
5‑1. 税理士選びで見るべき3つの視点(費用・対応範囲・人柄)
自社に合った税理士を見定めるための基本視点は次の通りです。
費用:月額顧問料・決算料・スポット相談料等の料金体系が明確か。
料金が安ければ良いというわけではなく、「何が含まれているか」を確認すること。対応範囲・得意分野:起業・創業支援に強い税理士か、記帳代行込みか、クラウド会計対応か、資金調達支援があるかなど。自社のフェーズ・業種にマッチするかを確認。
人柄・コミュニケーション:レスポンスの速さ、相談しやすさ、経営者視点での助言があるか。税理士も“パートナー”なので、信頼関係が重要です。
これら視点をもとに、複数の税理士に無料相談を申し込み、比較検討することをおすすめします。
5‑2. 起業支援に強い税理士かどうかの見極め方
起業・会社設立期の法人にとって、経験値のある税理士であるかどうかが違いを生みます。
見極めるポイントは・・・
過去に会社設立支援をどれだけ行ってきたか(顧問先の設立年数・創業支援実績)
起業段階での留意点・手続き・税務戦略を具体的に説明できるか
資金調達・補助金・助成金への知見があるか
クラウド会計や電子申告、インボイス制度など最新制度に対応できるか
「起業支援特化」「スタートアップ支援実績あり」の表示がある税理士事務所は安心材料となります。
5‑3. ネットでの探し方・口コミの読み解き方
税理士を探すにあたって、ネット検索・紹介・口コミを活用しましょう。
ただし“口コミ=鵜呑み”は禁物です。
読み解き方としては・・・
料金・サービス内容・顧問先の声が具体的に掲載されているかを確認
「設立時にこの税理士に依頼して良かった」「相談していたら助かった」という声に加えて、「期待したサポートがなかった」という声も探すことでバランスを取る
HP・無料相談の対応を通じて「この税理士と長期的に付き合えそうか」を判断
また、複数の税理士を比較して、料金・サービス・対応を相対的に評価する方法が有効です。
5‑4. 面談時に聞くべき質問リスト
税理士候補と面談・無料相談を行う際、以下の質問を用意しておくと安心です。
「起業・設立期の顧問先は何社ありますか?」
「初期費用・月額顧問料・決算料はいくらですか?顧問料の中に記帳代行や相談料は含まれますか?」
「記帳代行をお願いすると別料金ですか?」
「クラウド会計を使っていますか?こちら(自社)でどこまで入力すれば良いですか?」
「創業融資・補助金・節税の相談も対応してもらえますか?」
「税務調査が発生した場合、どこまでサポートしてもらえますか?」
「連絡のレスポンスはどのくらいですか?緊急時はどう対応してくれますか?」
これらの質問を通じて、料金・対応範囲・信頼感を判断できます。
税理士を選ぶ際には、料金だけで判断せず自社のフェーズ・業種・将来像に合った“パートナー”として検討することが肝要です。
6.税理士に依頼する際の注意点
税理士契約では契約内容・料金明示・自社との相性を事前に確認しないと、思わぬトラブルや費用負担の増加につながるため、注意が必要です。
6‑1. 契約内容・料金体系の明示があるか確認する
顧問料・決算料・スポット相談料・記帳代行料などの料金が明確になっているか。
「月額〇万円+決算料別途」といった構成が一般的ですが、どこまで料金に含まれているかを確認。
契約前に「特別料金」「追加料金」が発生する可能性がある項目が記載されているかをチェック。
サービス範囲(記帳代行含むか、会計ソフト導入指導含むか、税務調査立会い含むか)を明文化してもらう。
料金・サービスが曖昧だと、後で「思った以上に費用がかかった」というケースが出ます。
6‑2. 自分の業種に詳しい税理士かどうか
業種によって会計処理・経費処理・税務リスク・補助金・助成金の対象が異なります。
製造業・小売業・サービス業・IT業など、それぞれに特化した経験を持つ税理士であれば、より的確な助言が得られます。
業種未経験の税理士だと、一般的なアドバイスに留まり、業種特有のリスク・メリットを取り逃す可能性があります。
6‑3. 節税や助成金提案をしてくれるかのチェック
税務顧問契約に「節税提案」「資金調達支援」「補助金・助成金相談」が含まれているかどうかを確認。
ただし「過度な節税」を約束する税理士には注意。
税法の範囲内で適切な助言をする税理士かどうかを見極めましょう。
助成金・補助金の申請について、実務代行を含むかどうか、別料金かどうかも確認が必要です。
6‑4. 自分のスタンス(丸投げしたい or 自分で管理したい)との相性確認
「経理・会計は丸投げしたい」「本業に集中したい」場合
記帳代行・月次試算表・税務戦略提案まで含む顧問契約が合っています。一方で「自分で経理・会計を管理したい」「コストを抑えたい」という場合
スポット契約・必要なときだけ相談という形が合っています。
税理士と契約前に「こちらはどこまで自社でやるか」「どこから任せるか」を整理しておくことで、ミスマッチを防げます。
税理士との契約では、事前の確認が成功を左右します。
サービス範囲・費用・相性を整理しておけば、契約後のギャップを防げます。
次章では、税理士を検討する際に抱きやすい疑問をQ&A形式で整理します。
7章. よくある質問(FAQ)
Q1. 税理士をつけずに設立しても問題ない?
A.法的には問題ありません。
自社で設立から決算・申告まで対応することは可能です。
例えば、小規模法人・経理に慣れているケースでは、「税理士なし」の選択も実体としてあります。
ただし、専門知識がないまま進めると、前章で述べたように「青色申告の特典を逃す」「消費税免税の期間を失う」「適切な役員報酬・決算期を決められない」といったリスクがあります。
つまり、「問題ないかどうか」ではなく、「あなたの会社・あなた自身にとって“安心できるか”」が判断基準になります。
Q2. 税理士の費用相場はいくら?
A.設立直後・売上規模の小さい法人の場合、月額顧問料2~5万円+決算申告料数万円~十数万円が一つの目安とされます。
ただし、地域・事務所・サービス内容・業種によって大きく異なりますので、契約前に見積りを取得し、「何が含まれているか」「別料金になる項目は何か」を必ず確認してください。
Q3. 顧問契約なしでもスポット依頼は可能?
A.可能です。
例えば、設立時だけ・決算時だけ・税務調査立会いだけというスポット契約を扱う税理士事務所もあります。
ただし、スポット契約では「継続的な税務戦略・月次入力・経営相談」が不足するため、将来を見据えた“早期からの関与”とは異なる形となります。
Q4. 開業後すぐでなくても税理士を頼める?
A.はい。設立後でも「売上が伸びてきた」「会計処理が煩雑になった」「税務調査が来た」「補助金・融資を検討し始めた」といったタイミングで税理士を付けることは十分可能です。
例えば、「設立後1~2年後」や「決算期直前」を目安に検討するケースも紹介されています。
ただし、その場合でも“設立前から関与していたらもっと良かった”という声が多いのが実情です
8.専門家からの意見・アドバイス
実際に税理士として相談を受けた実務経験から、「税理士なしで設立して後悔した事例」「早めに税理士を付けて得した事例」、そして経営者に伝えたいアドバイスを具体的数字・実例付きで紹介します。
8‑1. 税理士なしで設立して後悔した事例
【相談例A:自力で設立した飲食業の社長】
自力で設立し、設立2年目に「帳簿の杜撰さ」「赤字の継続」「銀行融資の審査落ち」という課題を抱えて来所。
実は設立時、制度の理解不足から資本金を1,000万円以上に設定したため、本来受けられたはずの「2年間の消費税免税」の対象外となり、初年度から約80万円の納税を強いられていました。
(専門家として伝えたいアドバイス)
一般消費者向けビジネス(B2C)において、この納税負担は本来回避できたはずのコストであり、資金繰りを悪化させる大きな要因となっていました。
さらに深刻だったのが、日々の記帳が後回しになり、実態が把握できないほど帳簿が乱れていたことです。
正確な試算表がないことで、銀行からは「経営管理能力がない」とみなされ、融資の土俵にすら乗れない状況を招いていました。
不透明な帳簿は、資金調達という経営の生命線を断つリスクそのものです。
起業初期において、月額2万円の顧問料は決して安くはないかもしれません。
しかし、今回の事例のように数十万円の免税特典を逃したり、帳簿の不備で融資チャンスを失うリスクを考えれば、プロのサポートを受けることは、支出以上の利益をもたらす「賢い投資」となります。
【相談例B:IT業の社長】
個人事業から法人化したが、設立から帳簿入力が滞っていたため、3期目の決算で税務署から記帳不備を指摘。追徴税+加算税で約120万円の支出となった。
(専門家として伝えたいアドバイス)
月次入力・記帳を自社で行う場合でも、外部で月2万円~3万円程度の記帳代行を使った方が安心というケースもあります。
→このような実例から、「設立前・直後の判断」が数年後に大きく影響することが理解できます。
8‑2. 早めに税理士を付けたことで得した事例
【相談例C:サービス業の社長】
設立前に税理士と相談し、役員報酬を月30万円と決定、決算期を繁忙期直後の2月と設定。
結果、損益通算・キャッシュフロー・決算準備がスムーズとなり、3期目には利益も出て税負担が予想より低めになった。
【相談例D:アパレル業の社長】
設立前に税理士と資本金・決算期・補助金申請について打合せ。
結果、創業補助金100万円を獲得し、帳簿状態も月次で整備され、1期目黒字達成。
【相談例F:コンサルタント業の社長】
設立直後に税理士を付け、月次試算表を利用して経営分析。
2期目には新規事業投資に税理士の助言を活用し、設備投資減税を適用。税負担を数十万円抑制。
→これらの事例から、税理士を早期に置くことで“結果として税・資金・時間”の節約につながることを確認できます。
8‑3. 専門家として伝えたいアドバイス
- 税理士費用を「投資」と捉える
税理士契約は単なるコスト(費用負担)ではなく、将来の「節税・手間の削減・経営リスクの回避」を買うための投資です。事例にあるような「設立時のミスによる数十万円の損失」を防ぐだけでも、数年分の顧問料は十分に回収できます。
- 自社に合った「関与スタイル」を選ぶ
「丸投げ」か「自社でやる」かの二択ではありません。状況に応じた柔軟な使い分けが可能です。
比較検討: 無料相談を活用し、「相性・料金・サービス範囲」を複数の事務所で比較する。
ハイブリッド型: 「設立時の戦略だけプロに相談し、日常業務は自力で行う」という選択肢も有効。
- 意思決定を先送りにしない
経営者の多くが、数年後に「もっと早く相談しておけば良かった」と口にします。
「①今の自社の状況と将来の展望を整理する。」
「②設立前後の早い段階で専門家の意見を聞いておく。 」
この2点だけで、その後の経営の安心感とキャッシュの残り方が大きく変わります。
9.まとめ
結論として、会社設立は自分で対応可能ですが、税理士を頼んだ方が得です。
税務・会計・資金調達・経営相談の観点から、専門家の関与がメリットを生みやすいのが実情です。
特に、設立前~設立直後の段階で税理士を付けることで「資本金・役員報酬・決算期の設計」「補助金・融資の活用」「記帳体制の早期構築」など有利なスタートを切ることができます。
税理士を頼む際には「料金」「サービス範囲」「相性」を慎重に比較して、自社に合うパートナーを選ぶことが重要です。契約前の無料相談を活用しましょう。
また、税理士に依頼する場合でも「丸投げ」ではなく、自社で何を管理し、何を任せるかを明確にしておくことで、費用対効果を最大化できます。
会社設立は“始まり”であり、最初に正しい土台を作るかどうかで、その後の経営が大きく変わります。
ぜひ、この記事を参考に「税理士を付ける・付けない」の判断を、ご自身の状況を踏まえて行ってみてください。