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2026年4月からの重要ルール変更まとめ|130万円の壁緩和や非課税枠の拡大を解説

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2026年4月からの重要ルール変更まとめ|130万円の壁緩和や非課税枠の拡大を解説
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永島俊晶

永島税理士事務所、代表税理士/財務経営コンサル会社、代表取締役/経産省認定「経営革新等支援機関」/M&Aアドバイザー/AFP(ファイナンシャルプランナー) 財務戦略を武器にして、事業のステージに応じた永続経営のための支援を行っています。 毎月70人以上の様々な業種の経営者の支援をする中で、成功・失敗事例から学んだノウハウや、経営者として得た知見を発信しています。 <講演会> 各自治体の創業者研修、経営力養成講座、一部上場企業営業研修など講師として実績多数 <書籍> 『最強の戦略ツール・ビジネスモデルキャンバス』 新規事業の開発や事業拡大に不可欠なビジネスモデルキャンバスについて、詳細に解説しています。

2026年4月施行:中小企業経営者が押さえるべき重要ルール変更

2026年4月から、企業の経営環境と従業員の生活に直結する大きな改正が次々と施行されます。 本記事では、中小企業や小規模事業者の社長に必ず知っておいていただきたい「経営への影響が特に大きい項目」を厳選して案内します。

今回の改正は、単なる増税・減税の議論ではありません。

人手不足対策や福利厚生のあり方を根底から変える内容が含まれています。

まず、特に注目すべき以下の6つの重要項目をご確認ください。

【2026年4月改正】特に注目すべき6つの重要項目

変更点解説変更前変更後影響
1.130万円の壁の緩和社会保険扶養の判定基準が「実年収」から「契約内容」へ残業代込みの「見込み年収」「雇用契約書の基本賃金」で判定働き控えの解消
2.福利厚生の「非課税枠」拡大(食事代・駐車場代・遠距離通勤)食事代や駐車場代など、税金のかからない手当の枠が拡充食事代補助:月額3,500円まで非課税食事代補助:月額7,500円まで非課税
減税(手取りアップ)
駐車場代補助:会社が負担する駐車場代は全額給与として課税対象駐車場代補助:通勤手当とは別に、月額5,000円まで支給可能に
遠距離通勤費:片道95㎞以上の非課税限度額は月額33,700円遠距離通勤費:片道95㎞以上の非課税限度額は月額66,400円へ大幅拡充。
3.「子ども・子育て支援金」の徴収スタート少子化対策の財源として、社会保険料に上乗せ徴収徴収なし。健康保険料に上乗せして徴収。負担増
4.少額減価償却資産の特例「40万円未満」へ引上げ備品購入費を一括経費にできる基準がアップ1個30万円未満の備品まで、購入した年に一括で経費計上可能。

1個40万円未満の備品まで引き上げ。


減税
5.企業型DC(確定拠出年金)の制限緩和会社拠出額に関わらず、社員が上限まで積立可能社員の上乗せ拠出額は、「会社の拠出額」が上限。会社が5千円なら社員も5千円まで。会社の拠出額に関わらず、社員は最大5.5万円まで拠出可能減税
6.「防衛特別法人税」の新設法人税額が一定以上の企業に対する
追加の課税。
課税なし。法人税額が500万円を超える部分に対して一律4%の付加税を課税。増税

「実質的な手取り」を増やし、採用力を強化する戦略的対応を

現在、物価高が続く中で基本給を上げるだけでは、社会保険料や所得税の負担も同時に増えてしまい、従業員の「実質的な手取り」を増やすことは容易ではありません。

しかし、今回の改正を正しく活用すれば、「働き控えを防いで労働力を確保する」「会社の負担を抑えつつ従業員の手取りを増やす」という、戦略的な処遇改善が可能になります。

その一方で、利益が出ている企業への「防衛特別法人税」の新設や、給与計算の実務に影響する「子育て支援金」の徴収開始など、見過ごせない負担増も控えています。

知っているか知らないか、そして準備しているかどうかで、次年度のキャッシュフローと採用力には大きな差がつきます。

税理士の視点から、これら6項目が「経営にどう影響し、今からどのような準備をすべきか」を分かりやすく解説します。

自社にとってのメリットと注意点を整理していきましょう。

目次

1.130万円の壁の緩和

【経営者・従業員に有利】

「実際の年収」ではなく「労働契約上の賃金」で判定へ

これまでパート・アルバイトスタッフの社会保険扶養(130万円の壁)の判定は、残業代や手当を含めた「将来の収入見込み」で行われていました。
そのため、繁忙期の残業で一時的に収入が増えると扶養を外れてしまう懸念があり、「働き控え」の原因となっていました。

 2026年4月からは、「雇用契約書(労働条件通知書)に記載された基本賃金」をベースに判定する新ルールが適用されます。
2026年4月1日以降の扶養の審査を行う日から適用となります。

【経営者のメリット】

・人手不足の解消・生産性向上
繁忙期に残業をお願いしても「扶養を外れたくないから」と断られるケースが減り、既存スタッフに柔軟に働いてもらえるようになります。

・採用コストの抑制
1人あたりの労働時間を延ばせるため、不足分を補うための新規採用や教育コストを抑えることが可能です。

【従業員のメリット】

・手取りを気にせず働ける
契約上の賃金が130万円未満であれば、突発的な残業や臨時手当で合計額が130万円を少し超えても、原則として扶養内に留まることができます。

・キャリアアップの機会
「働き控え」をせずに経験を積むことができ、将来的なフルタイムへの移行もスムーズになります。

※実務上の注意点※

この新ルールを適用し、トラブルを防ぐためには以下のポイントが不可欠です。

・「書面による契約」が絶対条件
口頭での契約は対象外です。
必ず「労働条件通知書」や「雇用契約書」を作成し、基本賃金や所定労働時間を明記しておく必要があります。
扶養申請時の添付書類としても必須となります。

・通勤手当は年収に含まれる
 今回の改正でも、通勤手当は引き続き年間収入に含まれます。
遠距離通勤で交通費が高額なスタッフの場合、基本給+交通費で130万円を超えないか、改めて確認が必要です。

・あくまで「社会保険」のルール 
今回の緩和は、あくまで社会保険(健康保険・年金)の扶養に関するものです。
所得税や住民税の扶養(いわゆる103万円の壁など)の判定基準には影響しないため、従業員への説明時には混同しないよう注意が必要です。

・他収入がある場合は従来通り
副業による事業収入や不動産収入、年金収入などがある場合は、新ルールの対象外となり、従来通り「合算した実収入」で判定されます。

2026年4月からは、雇用契約書の「書き方」ひとつで従業員が扶養内で働けるかどうかが決まる場面が出てきます。人手不足に悩む経営者様にとっては大きな追い風となる改正ですので、今のうちに契約内容の整備とスタッフへの周知を進めておきましょう。

参考資料:日本年金機構 「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取り扱いについて」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2025/202512/1225.html

2. 福利厚生の「非課税枠」が42年ぶりの大幅拡大

【経営者・従業員に有利(減税)】

物価高を反映し、給与として課税されない「非課税手当」の枠がぐっと広がり、実質的な従業員の手取り額を増やすことができます。
令和8年4月1日以降に支払われる給与について適用されます。

2026年4月施行:通勤・福利厚生の非課税枠 拡充まとめ

項目

改正内容(非課税限度額)

改正前

改正後

食事代補助

昼食代等の補助(月額)

3,500円

7,500円

深夜勤務の現物給与(1回)

300円

650円

マイカー通勤

会社負担の駐車場代

全額課税

5,000円まで非課税

遠距離通勤

片道95km以上の交通費(月額)

38,700円

66,400円

2-1.食事代補助

月額3,500円 → 7,500円へ倍増(深夜勤務時は1回300円 → 650円)
令和8年4月1日以降に支給する食事代について適用されます。

今回の改正により、従業員に提供する食事代を「給与」として課税せずに支給できる非課税枠が、これまでの2倍以上に拡大されました。
一定の要件を満たせば、会社側は福利厚生費として損金算入しつつ、従業員側も所得税の負担なしに実質的な手取りアップを図れる、非常に効率の良い処遇改善策です。

【経営者のメリット】

・給与引上げに比べ、トータルコストを抑えた処遇改善
普通に給与を増やすよりも、会社、従業員双方の負担を効率よく抑えながら実質的な手取りを増やすことができます。

・「昼食補助」などの福利厚生を導入・増額することで、求人力の強化や離職防止に繋がります。

【従業員のメリット】

・家計への直接サポート
会社が食事代を直接補助することで、毎月の食費の持ち出しが減り、実生活における「ゆとり」をダイレクトに実感できます。

※実務上の注意点※

食事補助を非課税として扱うには、単に支給するだけでなく、要件を満たす必要があります。
また、実務上注意すべき点があります。

・「半分以上」は従業員の自己負担
会社が補助できるのは食事代の半分までです。
例えば、今回の変更後であれば、1万5,000円の食事代に対して会社が7,500円を補助する形であれば非課税となります。

・現金支給は原則NG
給与と一緒に現金で渡すと「課税対象の給与」とみなされます。
チケットやICカード、あるいは会社が直接お弁当を発注するなど「現物支給」の形をとるのが基本ルールです。

・社会保険料の算定対象に含まれる
所得税は「非課税」となりますが、社会保険(健康保険・厚生年金)においては、食事代補助も「報酬」に含まれるのが原則です。
ただし、従業員の自己負担割合などの運用ルールを満たすことで、社会保険上の報酬に含めなくてよいとする実務上の取り扱いもあります。

支給額や自己負担の設定によって、会社・従業員双方の社会保険料負担に影響が出る可能性があるため、具体的な設計にあたっては、事前に専門家へご確認いただくことをお勧めします。

参考資料:国税庁 No.2594 食事を支給したときhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2594.htm

2-2.マイカー通勤(駐車場代補助)

会社が負担する駐車場代が月5,000円まで非課税に。
令和8年4月1日以降に支払われる通勤手当に適用されます。
これまでは、会社が従業員の駐車場代を負担すると、その全額が「給与(所得税の課税対象)」とみなされていました。
2026年4月からは、通勤手当とは別に月額5,000円までであれば、税金がかからない福利厚生として支給できるようになります。

【経営者のメリット】

・実質的な賃上げ効果があります。
駐車場代を会社が肩代わりすることで、従業員の手取り額をピンポイントで引き上げられます。

・公共交通機関が不便な地域の企業にとって、車通勤のコストサポートは強力な採用武器になります。

【従業員のメリット】

毎月数千円〜数万円かかる駐車場代のうち、5,000円分が「所得税非課税」でサポートされるため、税金を抑えながら固定費を浮かせることができます。 

※実務上の注意点※

・「通勤手当」の限度額とは別枠
ガソリン代相当の「通勤手当(距離別限度額)」とは別に、この5,000円枠を利用できます。
ただし、両方を合算して管理するのではなく、規定上「駐車場補助」として明確に区分しておくのが安全です。

・社会保険料の算定対象に含まれる
所得税は「非課税」となりますが、社会保険(健康保険・厚生年金)においては、駐車場代補助も「報酬」に含まれるのが原則です。支給額によっては標準報酬月額の等級が上がり、会社・従業員双方の社会保険料負担が増える可能性があるため、導入前にシミュレーションを行うことをお勧めします。

※実際の導入にあたっては、顧問税理士などの専門家へご相談ください。

参考資料:国税庁 No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2585.htm

2-3. 遠距離通勤(公共交通機関・自動車等)

片道95km以上の場合、非課税限度額が最大66,400円(旧:38,700円)へ大幅拡充

今回の改正で最も伸び率が大きいのが、遠距離通勤者に対する非課税限度額の引き上げです。
これまで実費をカバーしきれなかった長距離通勤のコストを、会社が税負担なしで正当にバックアップできるようになります。
令和8年4月1日以降に支払われる通勤手当に適用されます。

【経営者のメリット】

・広域からの優秀な人材確保が可能に 

これまで非課税枠の制限で二の足を踏んでいた「新幹線通勤」や「長距離マイカー通勤」を必要とする遠方の優秀な層に対しても、所得税の負担を強いることなく、より手厚い通勤コストのサポートを打ち出せます。

・高騰する交通費実費への対応

 交通費の自己負担が発生していた従業員に対し、給与(課税対象)を増やすのではなく、非課税の通勤手当として実費を補填することで、会社側の税務コストを抑えつつ満足度を高められます。

【従業員のメリット】

遠距離通勤に伴う高額な交通費やガソリン代が、月額66,400円まで「非課税」で支給されるようになります。
これまでは限度額を超えた分に税金がかかり、実質的な手取りが目減りしていましたが、今回の拡充により遠方からの通勤負担が大幅に軽減されます。

※実務上の注意点※

・「最も経済的かつ合理的な経路」が前提
 非課税枠が拡大されたからといって、無条件に全額が非課税になるわけではありません。運賃、時間、距離の観点から「最も経済的かつ合理的な経路」である必要があるため、規程の見直しや通勤経路の再確認が重要です。

・社会保険料の算定対象に含まれる 
所得税は「非課税」となりますが、社会保険(健康保険・厚生年金)においては、通勤手当は全額が「報酬」に含まれるのが原則です。 
支給額が大幅に増える場合、標準報酬月額の等級が上がり、会社・従業員双方の社会保険料負担が増える可能性があります。具体的な影響額については、事前にシミュレーションを行うことをお勧めします。

参考資料:国税庁 No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2585.htm

3. 「子ども・子育て支援金」の徴収スタート

【経営者・従業員に不利(負担増)】

2026年4月分(5月給与天引き分)より、社会保険料の新たな項目として追加

少子化対策(児童手当の拡充など)の財源として、医療保険料(健康保険料)に上乗せされる形で「子ども・子育て支援金」の徴収が始まります。
これは既存の「子ども・子育て拠出金(全額会社負担)」とは別物で、会社と従業員が折半で負担する新しい仕組みです。

【改正の内容と負担額の目安】
徴収の仕組み: 健康保険料率の中に組み込まれるのではなく、独立した料率(2026年度は約0.23%)として設定され、給与や賞与から天引きされます。
年収や標準報酬月額によりますが、導入初年度の目安は以下の通りです。


会社負担(月額)

従業員負担(月額)

年収300万円

約300円(年間約3,600円)

約300円(年間約3,600円)

年収600万円

約570円(年間 約6,800円)

約570円(年間 約6,800円)

年収1,000万円

約950円(年間 約11,000円)

約950円(年間 約11,000円)

※実務上の注意点※

・給与計算システムの設定変更
給与計算システムの設定変更や明細書の項目追加が必要です。

・従業員への説明
社会保険料の控除額が微増するため、手取り額がわずかに減少します。
従業員から「なぜ手取りが減ったのか?」と聞かれる可能性があります。
「健康保険料の改定に伴い、国が定めた『子ども・子育て支援金』の徴収が新たに始まったため」と明確に説明できるようにしておきましょう。

・社会保険料の会社負担増
この支援金は会社側も同額を負担するため、実質的な「社会保険料の会社負担(法定福利費)」の増加となります。中長期的な人件費計画にこの上昇分をあらかじめ織り込んでおくことが、安定した経営管理に繋がります。

参考資料:こども家庭庁 「子ども・子育て支援金制度について」
https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkinseido#1

参考資料:協会けんぽ 「令和8年度保険料額表」https://www.kyoukaikenpo.or.jp/about/business/insurance_rate/premium_prefectures/r08/

4. 少額減価償却資産の特例が「40万円未満」に引き上げ

【経営者に有利(減税)】

中小企業にとって最大の朗報です。
購入した備品をその年の経費として一括計上できる特例の基準が、30万円未満から40万円未満に拡大されます。
令和8年4月1日以後に取得等した資産であれば、40万円未満までが特例の対象となります。

ハイスペックな設備投資が「即、節税」に直結します。
これまで30万円未満の壁で導入を迷っていた高機能なPCや、30万円台の精密機械、店舗設備などを導入した際、減価償却を待たずにその年度の利益を圧縮(節税)できます。

※実務上の注意点※

・「合計300万円」の年間枠に注意 
この特例を適用できる合計額は、年間300万円までです。
40万円未満のものを買いすぎて枠を超えないよう、計画的な投資が必要です

・適用期限は「2028年3月31日まで」 
この特例は時限措置であり、2029年(令和11年)3月31日までです。
この期間内に取得し、事業の用に供した資産が対象となります。
今後の税制改正で再延長される可能性もありますが、現時点では「期間限定の有利なルール」として計画的な投資を行うことが重要です。

参考資料:財務省 令和8年度税制改正の大綱(3/9)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_03.htm

5. 企業型DC(確定拠出年金)の制限緩和

【従業員に有利・経営者の採用力UP】

会社の拠出額に縛られず、個人の判断で「最大5.5万円」まで積み立て可能に

これまでは、従業員が自分の給与から掛金を上乗せしたくても、「会社が出している金額(事業主掛金)を超えてはいけない」という厳しい制限がありました。
今回の改正により、会社負担額の金額に関わらず、個人の意思で最大限の節税・資産形成ができるようになります。

【改正のポイント】

改正前: 会社の拠出額が「月5,000円」なら、従業員も「5,000円」までしか上乗せできませんでした。

改正後: 会社の拠出額が「月5,000円」であっても、従業員は規約の範囲内であれば自由に上乗せが可能になります。 

【経営者のメリット:「福利厚生の強化」】

・会社負担を増やさずに、社員の「将来」を守れる 
会社側は拠出額を増やさなくても、規約を改定してマッチング拠出を導入・周知するだけで、従業員に強力な節税手段を提供できます。

・「資産形成を応援する企業」としてのブランディング
新NISAやiDeCoへの関心が高まる中、会社が「税金面で有利な積立環境」を整えていることは、採用時の大きなアピールポイントになります。

【従業員のメリット:節税・貯蓄術】

・出した分だけ「所得税・住民税」がダイレクトに安くなる 
上乗せした掛金は全額は全額所得控除として所得から差し引かれます。
拠出額を増やすほど、毎月の所得税や住民税を直接的に安く抑えることができます。
会社の掛金が少額であっても、限度額いっぱいまで、自分の意思で非課税枠を使い切ることが可能になります。

参考資料:厚生労働省 「企業型DCの拠出限度額の拡充」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/2025kaisei.html#%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%9E%8BDC%E3%81%AE%E6%8B%A0%E5%87%BA%E9%99%90%E5%BA%A6%E9%A1%8D%E3%81%AE%E6%8B%A1%E5%85%85%EF%BC%88%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B0%E6%8B%A0%E5%87%BA%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%8A%A0%E5%85%A5%E8%80%85%E6%8E%9B%E9%87%91%E3%81%AE%E9%A1%8D%E3%81%AE%E5%88%B6%E9%99%90%E6%92%A4%E5%BB%83%EF%BC%89

6.「防衛特別法人税」の新設

【経営者に不利】

2026年4月1日以後に開始する事業年度から「防衛特別法人税」が適用開始

防衛力の抜本的強化に向けた財源確保のため、法人税額に対して「付加税」を課す仕組みがスタートします。
すべての企業が増税になるわけではなく、一定以上の利益(法人税額)が出ている企業が対象となるため、該当する企業にとっては実質的な法人税率の引き上げとなります。

【対象となる法人】

多くの中小企業には負担がかからないよう、大きな「免除枠」が設けられています。
今回の改正では、「年間500万円の税額控除(免除)」が設定されています。

対象外(増税なし): 年間の法人税額が500万円以下の企業
対象(増税あり): 年間の法人税額が500万円を超える企業

※500万円を超えた部分に対してのみ、付加税が課されます。

【いくら増税になるのか?】

増税額の計算は、通常の法人税額から500万円を引いた残りに、税率4%を掛けて算出します。

計算式: (実際の法人税額 - 500万円) × 税率 = 付加税額

【負担額の具体例(法人税額が1,000万円の場合)】

(1,000万円 - 500万円) × 4% = 20万円の増税

【経営上の留意点と対策】

・賃上げや投資による「相乗的な節税」の検討
この付加税は、元となる「法人税額」を減らすことで連動して負担を抑えられます。
例えば「賃上げ促進税制」などの税額控除をフル活用し、法人税額そのものを500万円以下に収めることができれば、防衛特別法人税の負担を実質ゼロにすることも可能です。

・正確な納税予測とキャッシュフロー管理
利益が数千万円規模で出ている企業の場合、決算時の納税額が数十万円単位で上振れする可能性があります
あらかじめこの付加税分を納税シミュレーションに織り込んでおくことで、予期せぬ資金繰りの圧迫を防ぐことができます。

※実務上の注意点※

・適用タイミングの確認 
「2026年4月1日以後に開始する事業年度」からの適用です。
例えば、3月決算の法人におけるスケジュールは以下の通りです。

適用開始: 2026年4月1日~(令和8年度分)
最初の申告・納税: 2027年5月末の確定申告時
※2026年3月期の申告(2026年5月末確定申告時)には、まだこの改正は適用されません。

参考資料:国税庁 「防 衛 特 別 法 人 税 が 創 設 さ れ ま し た」https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0025004-109_1.pdf

まとめ:経営者が今すぐ取り組むべきこと

2026年4月以降の変更点は、企業にとって「負担の増加」という避けられない課題と、「人手不足解消・処遇改善」という大きなチャンスが同時にやってくる転換点です。

「子ども・子育て支援金」や「防衛特別法人税」といった公的負担が増えることは避けられませんが、一方で「130万円の壁の緩和」や「福利厚生の非課税枠拡充」、少額減価償却資産の特例引き上げなど、会社の工夫ひとつで「人手不足の解消』や「節税」、「手取りアップ」を同時に最大化できるチャンスもあります。

これからの経営において重要となるのは、以下の4点です。

1.雇用契約書と社内規定の見直し

「130万円の壁」の判定が契約書ベースになるため、実態に合わせた正確な契約書の整備が不可欠です。
あわせて、食事補助や駐車場代の規定を改定し、非課税メリットを最大限活用できる体制を整えましょう。

2.「働き控え」をなくすスタッフへの周知 

「残業しても扶養外れを心配しなくていい(※要件あり)」という新ルールを従業員に正しく伝えましょう。
現場の不安を払拭することで、繁忙期の労働力確保とスタッフの収入アップを同時に実現できます。

3.設備投資計画の前倒し 

「40万円未満」へと拡大される少額減価償却資産の特例を活用し、DX化や生産性向上に必要な備品購入を計画的に行いましょう。
年間300万円の枠を使い切ることで、大きな節税効果が得られます。

4.社内規定とシステムの早期整備 

非課税枠の活用には、旅費規定や福利厚生規定の改定が不可欠です。
また、給与計算システムの設定変更など、実務面での準備が必要になります。


制度を「知っている」だけでは、負担が増えるばかりです。
しかし、「準備して活用する」ことができれば、コストを抑えながら従業員の満足度と採用力を高める絶好の機会に変わります。
ぜひ今回ご紹介したつのポイントを軸に、顧問税理士や社会保険労務士と共に自社に最適なプランを練り上げていきましょう。



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